トランプ政権、日本の消費税に関税で対抗
- 渡邉 定好
- 2月14日
- 読了時間: 4分
なぜトランプ政権は日本の消費税を不公平な貿易慣行だと見なすのですか。
トランプ政権が日本の消費税を不公平な貿易慣行と見なす理由は、消費税が輸出企業に対する補助金上納システムとして機能しているためです。この仕組みについて、以下に詳細を説明します。
消費税の仕組み:
消費税は、最終製品が作られるまでのすべての取引(原料の調達、加工、組み立てなど)で発生する税金です。
アメリカで最終製品を販売する大企業は、税制の違いから、今まで支払ってきた消費税が払い損になります。
そのため、大企業は日本政府から還付金として、年間2兆円前後を受け取っています(例:トヨタは年間6,000億円以上)。
補助金上納システム:
大企業は、中小企業に税金分を負担させることで、この還付金を利益に変えています。下請け企業に対する不当な値引きなど、下請法違反となっている親事業者への指導件数は年間8,000件以上あると報告されています。
輸出企業にとっては、下請けを圧迫することで消費税の還付金が輸出補助金に変わるため、経団連の会長職経験者などが消費税増税を主張し続けています。
トランプ政権の対応:
トランプ政権は、この大企業が利益を得る仕組みに対し、関税で対抗すると宣言しました。
トランプ大統領は、消費税のような税制を使っている国に対しては、追加で関税を引き上げると述べています。
次期商務長官のハワード・ラトニック氏は、各国が付加価値税をやめれば、アメリカも関税を下げることでアメリカの物価を下げられると発言しています。
アメリカは、各国の状況に合わせて個別に今回の関税措置を決定するため、日本が消費税を下げれば、関税も下がると考えられます。
その他の評価基準:
関税引き上げの評価基準は、消費税だけでなく、補助金や輸入規制も含まれます。
米国通商代表部は、各国の貿易障壁に関する報告書を作成しており、日本の規制がアメリカにとって不利な貿易条件になっていると指摘しています。例えば、自動車の項目では、日本の独自の基準と認証試験が厳しく、参入が難しいとされています。
トランプ政権は、日本の消費税制度が輸出企業への不当な補助金として機能していると見ており、相互に関税を課すことで、この不公平な状況に対抗しようとしているのです。
なぜトヨタは年間6,000億円以上の還付金をもらうのか?
トヨタが年間6,000億円以上の還付金を受け取る理由は、日本の消費税(付加価値税、VAT)の仕組みと、輸出企業に対する税制上の取り扱いに起因します。この仕組みが、トランプ政権が日本の消費税を不公平な貿易慣行と見なす根拠となっています。
消費税の仕組みと還付金
日本の消費税は、製品が最終消費者に届くまでの各段階、例えば原料の調達、加工、組み立てといったすべての取引に課税されます。しかし、**アメリカなどの海外で最終製品を販売する大企業(特に輸出企業)**は、日本とは異なる税制のために、支払った消費税が払い損となってしまいます。この払い損になった消費税を、日本政府は還付金として輸出企業に払い戻しています。トヨタの場合、その還付金が年間6,000億円以上にのぼります。
還付金の原資と問題点
一見すると、大企業は払い過ぎた税金を取り戻しているだけのように見えますが、問題は還付金の原資にあります。大企業は、下請け企業に対して不当な値引きを要求するなどして、消費税分を負担させています。つまり、中小企業が負担した消費税が、還付金として大企業に流れているのです。下請法違反となる親事業者への指導件数が年間8,000件以上あることからも、輸出企業による下請けいじめが常態化していることがうかがえます。
輸出補助金としての還付金
このようにして、輸出企業は消費税の還付金を事実上の輸出補助金として受け取っています。そのため、経団連の会長職経験者などは、消費税の増税を強く主張しています。消費税が増税されれば、還付金も増えるため、輸出企業にとってはさらに有利になるからです。
トランプ政権の視点
トランプ政権は、このような日本の消費税の仕組みを、輸出企業に対する不当な補助金と見なしています。そして、相互に関税を課すことで、日本に消費税制度の見直しを迫ろうとしています。トランプ大統領自身も、消費税のような税制を採用している国に対しては、関税を引き上げると発言しています。
この一連の流れを理解することで、なぜトヨタが多額の還付金を受け取っているのか、そしてそれが国際的な貿易摩擦にどう繋がっているのかが見えてきます。
Comments